マダニに刺された!



ある秋のキャンプの後のこと・・・僕は疲労と共に自宅へ帰還し、明日からの仕事に備えて風呂に入っておりました。

身体を洗っているとちょうど左腰の辺りに何かがあるのに気が付いた。よく見ると黒くて小さいもので、「あれ?こんなとこケガしたっけ?かさぶたが付いてる・・・」。僕はそのかさぶたを取ろうとしましたが、取れそうで取れない。完全に皮膚にくっついているわけでは無いのですが、腰にぶら下がってるような状態で、どう引っ張っても取れない。

「・・・なんか嫌な予感がする。」 ともかく身体を洗い終え、風呂から上がると机の中から虫眼鏡を取り出しそれを見てみた。




このかさぶた、足が付いてる・・・

その瞬間全身に寒気が走り、嫁はんを呼んだ。「おいっ!これちょっと見てくれ!!!」

・・・それは紛れもなく、何かの
「虫」だった。「どこかで聞いたことがある・・・犬や牛に寄生するダニがいることを。それがなんで人間に?・・・というかオレに???」 頭が混乱してはいたが、とにかくこいつについて何か情報を得なければ。引っ張っても取れないけど、どうやって取ればいいんだ?

早速インターネットで調べたのですがその内容は僕を安心させるどころか、より一層の
恐怖を感じさせるものでしかありませんでした・・・




「マダニの恐怖」

こ、こいつ!こいつやねん!!!
無断転載ごめんなさい(その1)

 こんな小さいの(2mm)。袋に入れておく。

これは大分血を吸った状態やね。
無断転載ごめんなさい(その2)

マダニ類による予期せぬ感染症

近年日本でも自然への回帰の心が増加し、それが森林浴などの健康ブームにも乗り、都会の人々が屋外、特に森林、山野へレジャーに出かける機会が増えています。このようなアウトドアブームは喜ばしいことでありますが、それに伴い森林、山野でマダニという虫に出会い刺されてしまう人々が増えています。

マダニに刺されること自体は少しの痒み、痛みを伴うのみで自分で処置してしまうことも多いと思われますが、もしこれらのマダニまたはマダニ類が病原体を保有していれば、予期せぬ不都合が生じます。これら病原体によって生じる感染症がツツガムシ病とライム病です。前者は全身状態が悪くなり、放置すれば
死亡することもありますし、後者も皮膚症状や発熱、顔面神経麻痺などを生じます。


うあ・・・死、死ぬ???顔面神経麻痺???おいおい、笑ってる場合とちゃうでぇ、これは!!! ・・・そ、そんでどないしたらええのや?どやったらこいつ取れるんや???


咬着後24時間以内に虫体を除去すると感染率が低いといわれますので、咬着をみつけたら、虫体を破損させずに、ピンセットなどで引き抜いてみます。虫体が一部でも残存している可能性がある場合は、後に症状をきたすことがありますので、直ちに医療機関を受診して下さい。


24時間以内?うむ、確か昨日風呂に入った時には気付かんかった。ということはたぶんまだ24時間は経ってないちゅうことやな?なんとか今晩中に取ってしまえば感染率は低い。

「刺された場所がオレから見にくいからオマエこのピンセットで取ってくれ」 と、僕は嫁はんに言った。

嫁はん「え〜?そんなん怖い〜・・・無理や〜・・・明日病院行って取ってもろたらアカンの?」
中川A「そんなん言うてる場合か!感染までタイムリミットは24時間。もう残された時間は数時間しか無いかもしれん。オマエがやらんと誰がすんねん!!!」
嫁はん「やってみるわ・・・」

そしてあたかもテレビドラマさながらの
マダニとの格闘が始まった!







嫁はん「全然抜けへんで〜?」
中川A「もっと力入れてやってみぃな」
嫁はん「力入れてんねんけどなぁ・・・うわ、動いた!今、足動かしよったで!
中川A「むぅ、風呂で洗った程度では死んで無かってんな。つまり今でもこいつはオレの血を吸い続けとるいうわけや。早よ・・・早よ取ってくれ!」
嫁はん「でも全然取れへん〜」

なぜマダニは取れないのでしょう?それはこういうわけなのです。・・・


牙はこんなの。こりゃ抜けるはずがないわ。
無断転載ごめんなさい(その3)

マダニは管状の口器を皮膚に刺しこんで吸血します。この吸血管の表面にはギザギザした突起があり、一旦差し込むと抜けにくい構造になっています。
また、マダニは温度の高い方へ移動する 習性があり、体に食いついた場合、皮膚の奥へ奥へと食い込みます。さらに、マダニの場合は、セメント質の物質を分泌してしっかりと固定するという念の入れようなのです。

吸血前のマダニならば、たいして問題はないのですが、すでに吸血中 のときはマダニの体を引っ張ってもそう簡単にとれるものではありません。
無理に虫体をひきちぎると、口下片が皮膚内に残存し、異物肉芽腫などの炎症が続発し、切開除去が必要になります。

中川A「えーい、しゃーない。オレの命はくれてやる!マダニを思いっきり引き離せ!」
嫁はん「もうどうなっても知らんでぇ???」

「パキッ!」

嫁はん「やっと取れた〜」
中川A「・・・今、パキッって言うたよな?」
嫁はん「なんかそんな音したような気もするけど・・・キバが残ったんやろか?」

恐る恐る傷口を触ってみる・・・

痛っ!!!

何やらトゲが刺さってるかのような痛み・・・ア、アカン・・・キバ残ってしもた・・・

嫁はん「明日病院行って来・・・」
中川A「わかった。朝一で行って来るわ・・・はぁ、ややこしいことになったなぁ・・・」


マダニとの死力を尽くした戦いに敗れたオレは敗北者の烙印を押された気分に、ただただ打ちひしがれるのであった・・・









次の日病院には「感染症が発症したらまた来てください」という医者の暖かくも冷たい一言をいただき(放置プレイ?)、当たり障りの無い薬を手渡されたオレがいた・・・

感染症の潜伏期間はおよそ2週間。その間発症しなければ曲がりなりにもオレの勝ちである。だけどそんな勝敗など誰が判定するのだろうか。なんの意味があろうか・・・

いや、少なくともこれだけは言える・・・生き残ったものが勝ちなのだ。現にオレは生存し、
マダニは死んだ
戦いに勝ったのはオレなのだ。

だが・・・未だに腰の傷からマダニのキバの痛みは消えてはいない。またオレらに新たな敵が現れたのだ・・・






人間 対 マダニ


今度の敵は手強いぜぇ〜?何しろ下手すりゃ死ぬからね・・・(泣)

正しいマダニの対処法 (こうするとマダニは自ら外れるらしいです)

1.タバコの火を近づける。
2.アルコールをかける。
3.熱湯をかける。
4.血を吸い終わるまで待つ。(感染する可能性はありますが)
5.病院(皮膚科)で取ってもらう。

決して無理やり引き離そうとしてはいけません。(号泣)

皆さんの健闘を祈ります。

当ページの最初の画像でお見苦しいところをお見せしたことを陳謝いたします。(笑)