平成8年10月、もうすぐ結婚して関東へと旅立つ中川Aは関西最後にソロキャンプをやってみようと思い立ち、出発しました。泊まる場所は特に考えていない。走っていけるだけ走ってそれから考えようと。大阪から和歌山へと走り出しました。 しかし紀伊半島に入った辺りでどしゃ降りの雨。辺りはどんどん暗くなっていく。最南端の潮岬までは行くつもりであったがそうも言っていられない。完全に暗くなる前に野営地を見つけなければ。 海岸へと出てみるとそこには「煙樹海岸キャンプ場」が。「うわー、期間外か・・・しかし他に探してる余裕も無いしな・・・」 近くを見ると水洗の公衆トイレがある。ちゃんと電気もついているようだ。「よっしゃここにしよう」 テントを雨の中張り出しました。 |
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なんとかイメージしてください。(笑) |
テントを張り終わり、しばらく中で休息。その後完全に暗くなる前に雨が止んでしまった。「わー、上がった。良かったー」・・・しかしそれはぬか喜びであった。状況は良くも何とも無く、むしろ最悪であり・・・テントから出た俺は愕然とした。 |
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「うわっ!なんちゅうとこに張ってしもたんや!雨降ってたから全然気付かんかった!」・・・しかしもう他に移転する気力も無い。「しゃーない。ここでやったろかい。なんかあったとしてもそれはそれで伝説になるやろ。」・・・なんて腹を決めた。このオレ、霊感なんてものが20歳寸前にして感じるようになり、今まで金縛り数十回を数える、プチ霊能者?のような感じになっていたのだ。なんかのお導きやらなんやら・・・まぁこれも運命よ。あとは野となれ山となれ! |
しばらくまともな夜が過ぎていきました。すっかり空も雲が無くなり、満天の星空に。酒を飲んだ俺は次第に眠くなり、テントに入ることにしました。「さぁ、寝ようかな」・・・シュラフに入った途端それは起こりました。 |
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テントの周りに何かいる。ガサッ・・・ゴソッ・・・と音がする。最初一つだったそれが二つ、三つ・・・さらに増えていきました。「うわー、やめてくれー・・・」テントの中で一人おののくオレ。音はテントを完全に取り囲んでいるようでした。「墓場のそばなんかで張るんやなかった・・・ここが俺の死に場所なのか・・・誰か助けてくれー・・・」 しかし意を決したオレはテントを空けてみることにしました。どうなろうと自分の目で確かめないと。 テントを開け放ち、ヘッドライトを向けました!するとそこにはなんと・・・!!! |
猫の目 |
うわー!何匹いるんやー!2、30匹は軽くいました。完全にテントを取り囲んでいました。数匹は逃げていきましたが金縛りに遭ったようにじっとこちらを見ている数十匹の猫達。謎の音の原因が猫だったことで少しは安心しましたが、オレはむしろ妙な恐怖を感じました。墓場に巣くうおびただしい数の猫。ただの猫じゃ無いような気もして・・・そのまま、またテントに潜り込みました。その後もなかなか寝付けず、結局1時間ほど寝ただけで夜が明けました・・・ |
朝になると猫は跡形もなく消え失せていました。一体どこに帰っていったんだろう・・・テントの外に置いておいた焼肉のたれはきれいさっぱり舐め取られていました・・・ 結果「猫」でした。なんてオチでは皆さんきっと納得しないと思いますので、いずれ実際僕がキャンプであった心霊現象?話をやってみたいと思います。(キャンプ場実名入りで) ご期待あれ。 |