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とうとうこの日がやってきました。以前からガッツさん(宇野先生・小学校の先生兼、NPO法人・望仙荘の管理人さん)より、「小学校で漫画の授業をしてもらえないだろうか?」というオファーを受けていたのですが、さすがにそれは僕にとっては未知の世界。漫画を人に教えたことなんかほとんど無いし、教わったこともない。とても躊躇しておりました。 しかし僕の理念は「経験出来ることは何でも経験してやろう」というものだったので度胸一発このオファーを受けることにしました。 でもこの出来事自体はアウトドア活動とはちょっとかけ離れてるかもね?しかしキャンプをするために三重県に来て、その前に3,4時間目の授業をし、食べる機会なんて滅多にない給食を食べさせてもらえるんだからアウトドア活動の一環としておきましょう。 |
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ブルブルと震える・・・武者震い? |
5年生全員、57名 |
場所は三重県亀山市立川崎小学校。5年生全クラスの57人を全て教えるわけです。教える内容は、「ステッカーを作ってみよう!」という主題があって、その一部分、自分のキャラクターを作ってみようというパートを僕が受け持つわけです。 しかし授業が始まるまで校長室でタバコを吸いまくってはいても、ガクガク・・・ブルブル・・・震えが止まりません。これが武者震いというやつなんだろうか・・・生まれてこの方こんなに緊張したのは初めてかもしれません。 そして授業が始まったわけです・・・ |
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堂々と教壇に立て! |
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もちろん僕一人で漫画の授業を終始進めるなんて出来るわけがない。そこはガッツさん(宇野先生)にうまくフォローしていただきました。授業の始まる前に似顔絵についていかに書けば似るようになるか説明するのを反復練習していたので、最初はなんとかうまくいきました。そして自画像を描き始める子供達。 出来た人から僕のところに絵を持って来ます。・・・どうやって指示すればいいんだろう???わけもわからないまま、「君はここを強調すれば似てくるよ」 なんてダメ出し(笑)をしたり、「うん、この部分はよく出来てるね!」なんて説明を続けておりました。 |
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描くスピードを披露する。 |
腕の震えが止まったぜ! |
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ガッツさん「さてここで漫画家さんが絵をどんなスピードで描けるのかを見てみましょう」 と僕に振られたので、震えた腕でチョークを握り、黒板にキャラクターを描き始めました。 サラサラサラーッとばかりに描き始めました。すると驚いたことに腕の震えが完全に止まりました。 ・・・やっぱしオレだってプロの漫画家。人の注目を受けているとこで絵を描くのは案外慣れているのだ。うむ、それなりには描けたな。キャラクターを描くスピードに子供らは驚いた様子。うんうん、成功成功♪ さてお次は自分の似顔絵をもっと砕けた絵にして表現する実習です。子供達が描いている間、僕も生徒の机の周りを回って子供達の質問に答えていきます。 |
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キャラクターをアドバイス。 |
・・・さてオレはどこにいるのでしょう? |
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そして完成した子が先程のように僕のところに提出してくる。「う〜ん、もうちょっと砕けたほうがいいかなぁ?」 「よし、これはいいぞ。じゃあ色を塗ってみて?」なんてすっかりオレ様、先生気分。(笑) なーんてやってる間に2時間の授業があっという間に終わってしまいました。・・・オレの感覚では30分〜40分しかやってないように感じたぞ?うーむ、あまりに集中したために時間が高速で流れたようだ。 そして最後にオレからの挨拶。 「えぇ〜今日は自画像・キャラクターを描いてもらったわけですが、実は僕は誰かに漫画の描き方を教わったことがありません。そんな僕が漫画の描き方を教えて、みんなが真剣に描いてくれたこと、描くたびにどんどんうまくなって、僕には到底描けないなぁというすごいうまい絵を描いてくれた子もいて、とても感動しました。今日はどうもありがとうございました」 実はこういったお話をする時には僕の意識は身体を離れて、幽体離脱のようになり、自分が話してるのを離れた場所から自分が聞いているような感覚に陥ることがあります。 「オレって感極まった話し方しとるやないか・・・」と、うかつにも半分目に涙を浮かべてしまいました。 そして次の給食の始まる前までに「中川Aサイン会の開催!」(笑) うおお、そりゃサインするのは慣れてるけどさ・・・こんだけ急いで次々にキャラクターを描くとどんどん絵が歪んで来るのさ。 |
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と、ここでガッツさん(宇野先生)から助け舟。 「とりあえず今回は隣のクラスの人の分だけにして、ウチのクラスの子の分は後でやってもらいましょう、給食の用意をしてくださ〜い」 おおお、助かった〜。そしてまた校長室に直行!タバコを立て続けに吸いまくる。 中川A「どうでしたでしょう?うまく出来たんでしょうか?」 ガッツさん「うんうん、大成功ですよ。子供達も真剣にやってました。」 ふうぅ・・・なら一安心。これで最低限の役目は果たせたな。失敗・暴走だけはしなくて済んだようだ。そうこうしてるうちに給食の用意が出来ました。うむ、給食食べられるのが楽しみだったんだよ。大人になったら給食なんて食べる機会は皆無だもんな〜。 |
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こんな美味しいものを食べてるのか。感動! |
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「うん、美味い!」非常にうまくカロリー計算した料理で、余計な油分を排除し、たんぱく質・栄養分を適度に組み合わせ、味はほんまにオレが小学校の時に食べた給食なんかとは雲泥の差じゃないか???とも言えるべきものでした。 「ええのぉ〜、今の子供らはこんな美味いもの毎日激安で食っとるんやのぅ〜?」一瞬、この小学校に再入学しようかな?と思ってしまいましたよ。(ムリだって)(笑) ここでクラスの男の子からのオファー。「ドッヂボールやろうよ!」 そう言われちゃこっちも引くわけにはいかん。 「よっしゃ、やろう!」 しかしここで一抹の不安が・・・「ここで激しい運動をすれば今食べた給食が逆流するかもしれない・・・ボールを紙一重で避けて体力の消耗を最低限に抑えなくてはならん。でないと吐いてしまう」。 そこであえて子供達を盾に自分を守るという超極悪非道な作戦に出、当たりそうになったボールを次々に紙一重で避けていった。しかし5年生ともなるとボールのスピードが違う・・・無茶苦茶速い。ほとんどのボールが「ホップ」しながら飛んでくる。そんなこんなで結局ボールを当てられてしまいました。 普段ろくに運動してない人間を集中攻撃するとはぁ!いやいや、これも子供達のオレに対する親愛の情。愛の鞭はあえて受けなければ!!! |
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いいように弄ばれる中川A |
そしてチャイムが鳴り、子供達は教室に戻って行きました。(これから授業?掃除かな?) すでに精も魂も尽き果てた中川Aがただそこに残るのみでした。 ガッツさん「教育実習の人も1週間で疲労で倒れるんですよ」 中川A「そりゃそうですね、僕はパワーを子供らに全て吸い取られてしまいました。」 ガッツさん「案外重労働でしょ?でも慣れてくると子供らからパワーをもらえるようになるんですよ」 中川A「そうなんですか〜、でも今の僕はもうフヌケ状態ですわ・・・」 その後ガッツさんのキャンピングカーに乗せてもらって買い物をした後、望仙荘まで送ってもらいました。 |
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結局サインは一クラス分しか出来なかったので、キャンプが終わるまでの宿題として紙を30枚ほどもらいました。次の日の朝に全て一気に描きましたよ・・・子供達の顔を思い浮かべながら・・・(なんてね)(笑) 実はヤングマガジンのグラビアを見ながらキャラクターを全て別人に描き上げました。(笑) いやぁ大変でしたね〜、でもこんな経験はもしかしたら一生無いかもしれない。本当に貴重な体験をさせていただきました。ガッツさん、5年生の子供達、校長先生・教頭先生・他の先生方、本当にありがとうございました。一生忘れません。この機会をこれからの活動に生かしていきたいと思います。 川崎小学校の子供達は本当にいい子ばっかしで、この子らを立派に育て上げるべく粉骨砕身努力するのは本当にかけがえのないことだと感じました。今のオレなんかこれからやれることがだんだん限られて来るんだけど、子供らには無限の可能性がある。それを心の底から思いました。 数年前の交通事故で瀕死の重態に遭った後、「もし復帰出来たら人間社会のために何かがしたい・・・」って思ってたことが一つ出来たかな? |